ハワイ旅行2020で出会った面白いコンドミニアム不動産管理人の話

こんにちはヤニックです。

 

先日、恒例のハワイロングステイ2020から帰ってきました。

滞在の様子は動画でも順次投稿していきますので、良かったらそちらも合わせてご覧ください

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さて、宣伝も終わったので本題、長期間海外旅行をしていれば面白い人の一人には出会うものです、今日はその中の一人を紹介しようと思います。

現地でコンドミニアムの管理をしてる管理人さんの話です。




新しいエージェントに不安を抱える

今年は去年までのエージェントではなく、新しいエージェントを利用した、部屋もこれまで使い慣れたものと全く異なるし、僕は漠然とした気持ち悪さを抱えていた。

慣れないエージェントなので一抹の不安がある中、ナツキさんはひどく前向きだった

 

「だって新しい部屋が見られるんだよ!!(*´▽`*)」

 

どこまで好奇心旺盛なのだろうか。

母親の胎内に好奇心を忘れて生まれてきた僕とは正反対の生き物である。

それでももう10年以上夫婦をしているのは我ながら不思議でならない

さて、ハワイに到着である、新しいエージェント、まったく素性が知れない、わかるのは名前だけだが、スペルを見ても男か女か、年齢もさっぱりだ。

空港の個人用出口から出て、エージェントに電話する手はずになっているが、担当の名前を見てみると、日系の男性と思しき名前に見えた。

そう思い込みながら電話をかけてみると思い切り不意を突かれた

 

%?>%$AS=+K=」(英語なので何言ってるかわからない」

「もしもし、本日からお世話になる〇〇ですけど」

「ああ、〇〇さん、今どちらですか?」

 

 

ん?おばあちゃん?(´・ω・`;)

 

 

電話の声はまごうこと無き日本人のおばあちゃんである、日本人のおばあちゃんと電話で会話するのいつ以来だろうと余計な思考が頭を駆け巡る。

少々戸惑いながらもこちらの情報を伝えて、コンドミニアムのロビーで待ち合わせることとなった

にしても、おばあちゃん?

いや、別にいいんだけど・・・・ただ、名前の印象とずいぶん違うなぁ・・・

 

もしかして家族経営の小さなエージェントなのか?

日本のエージェントを介して現地のエージェントと契約しているので、現地に着くまではその素性が知れないのである。

おそらくおばあちゃんはただの電話番で、息子さんか誰かがコンドミニアムを案内してくれるのだろう。

きっとロッキングチェアに座りながら編み物をしてるおばあちゃんが片手間に、得意な日本語を使って息子の事業の手伝いをしているのだろう。

僕のイメージ

 

そんな想像が頭を巡った

面白そうなエージェントだな、そう思いながらコンドミニアムを目指した。

エージェントが来ない、ずっと待ってるのに!!

到着しタクシーを降りると日本人らしいおばあちゃんがベンチに一人でちょこんと座っていた。

 

もしかしてあの人がエージェント?

 

と思ったが向こうから声をかけてくる気配はない

事前に僕たちの年齢や特徴は伝えてあるので、エージェントであれば向こうから声をかけてくるはずだ・・・

じゃないとすれば観光客?にしてもこんな場所にしかも一人で何してるんだろう?家族はどうしてのだろうか?

不思議なおばあちゃんを横目にみながらロビーの椅子に腰を下ろした、そのうちエージェントがやって来るだろう・・・・

 

来ない

 

いや、ここはハワイ、なんでも日本と同じと考えるのは時期尚早だ。

ハワイ時間という、神が定めたこの世の真理を歪めるほどの強大な力を持つローカルルールがハワイには存在する

有体に言えば、時間なんてあってないようなものだ。

郷に入っては郷に従え、なんでも日本式を持ち込むのはよくない、ここはハワイ、時間の流れが日本とは異なるのだ

 

これまでのエージェントもそうだった、時間どうりに来る方がむしろ珍しいくらいだ、いや、彼らの名誉の為に書いておくと、彼らがルーズなのではない、彼らとて元は日本人、いや今も多分日本人

日本人同士なら時間は守るものという鉄の掟が、時にハワイ時間に打ち勝つことを知ってることもまた暗黙のルールだ、彼らが相対する現地の人がルーズなだけだ。

 

大方、何かのトラブルで遅れているのだろう、気長に待ってみよう

 

来ない

 

しょうもない告白をするが僕は元来、気が長い方ではない

偉そうにハワイ時間だ、郷に入っては郷に従えだとはかぶれてはいるが、中身は下町育ちのせっかちな日本人だ。

一年のうちの330日近くは日本で暮らしている、どだいハワイ時間などというのは無理な話だ

張りぼてのハワイ通は早くも瓦解しけていている。

 

「電話してみようか(´・ω・`)」

「もう少し待ってみようよ(*´▽`*)」

 

気が長い方が答える

ナツキさんは何時間だろうといくらでも待てる特殊能力を持っていたことを忘れていた。

元カレとのデートの待ち合わせで5時間待った(しかもその場から一歩も動かず)という話を聞いたときに絶句したことを今思い出した。

5時間遅れてきた元カレは全く悪びれることもなく普通に来たこともここに付け加えておこう。

 

彼女からすれば、これくらい朝飯前なのだろうか

普段と何も様子が変わらない彼女を見て、もう少し待ってみようと腰を下ろした

 

来ない

 

いや、もう限界だね、電話する!!

おばあちゃんが息子さんへの取次ぎをミスったのだろうか?

誰か違う人と間違えてる?

っていうかコンドミニアム名言わなかったけど勘違いしていないかな?

じっと待つ・・・

 

長時間フライトの後のぼんやり頭で、いろんな思考が駆け巡るからしんどくなってきた・・・

この問題を解決するには電話をするのが一番だ、せっかちな日本人でもいいじゃないか、いや何が悪い、時間は守られるべきものだ!!

 

などと考えてると、さっきタクシーを降りた時に見かけたおばあちゃんが僕たちの横にちょこんと腰かけた。

あれ?まだいたのか?家族はどうしたんだ?

っていうか一人でこんなところで何をしてるんだ?

いや、今はそんなことよりも電話だ。

 

「もしもし、先ほどお電話した〇〇ですが、もうすでにロビーにて待っていますがまだかかりそうですか?」

「ああ!!〇〇さん、ずいぶん前にこちらも到着して待っているんですが・・・」

 

え?もうすでに待ってる?いや、それっぽい人は全然いないんだけど

やっぱりコンドミニアム間違えてるんだな・・・・・

 

「えっと・・・・僕たちが泊まるコンドミニアムは・・・・」

 

と言いかけたところで、さっき横に座ったおばあちゃんが視界に入った

いつの間にかスマホを耳に当てて誰かと電話をしてる・・・・・・・いつのまに・・・・・って・・・・え?

 

「あの・・・・」

「はい・・・・?」

 

電話の向こうの声と完璧に連動しておばあちゃんの口が動いた。

 

「あ・・・・・!!」

「あ!!」

 

それからはずっとおばあちゃんのターンだった

いや、現役で働いている女性をおばあちゃん呼ばわりするのは心苦しいので、今後はAさんと呼ぶことにするが、とにかくAさんのおしゃべりが止まらない。

 

聞けば、僕たちのことを70代くらいのシニアだと思い込んでいたようだ。

まさか若い夫婦が来るとは夢にも思っていなかったようで、Aさんは見かける70代くらいの日本人に手当たり次第に声をかけて僕たちの事を探していたそうだ

こっちはこっちで、来るのが息子さんだと思ってたから40代くらいの男性だと思い込んでいた

お互い、想像していた人物と実物との年齢がかけ離れていたのだ、それは出会えるはずもない。

 

Aさんは時折

 

「ごめんなさいね、日本を離れて長いから、日本語が得意じゃ無くて・・・・」

 

と言葉をはさむが、ずっと流ちょうな日本語で終始しゃべり続けた。

 

いや、しゃべり倒した。

 

「〇〇さんはここは初めて?」

「いや、もう何度も来てるんで大抵の事はわかっています」

「あ、そう!!」

 

Aさんが破顔する

 

「よかったあ、じゃあ今日は楽に案内できそうだわね」

 

客の前で絶対に言っちゃいけない言葉をさらっと口にするAさんだが、聞こえなかったフリをしてやりすごす。

憎めないなあ・・・と思いながらも案内が短いのはこっちも願ったりかなったりだった。

すぐに、ハワイモードに切り替わりそうだ

僕の中で、エージェントさんが部屋を出た瞬間からハワイモードに一気に切り替わる、その時間がとにかく待ち遠しく、説明が短いのは本当にありがたい。

 

・・・・とその時は思っていた。

 



ずっとAさんのターン

初めての部屋だったが見てすぐに分かった、説明なくても全然大丈夫だ、とはいえ、Aさんも最低限の仕事として室内をさらっと説明してくれる。

速やかに事が運ぶ、いい流れだ・・・・

 

ひとしきり説明が終わる・・・

よし!!やっとハワイモードだぞ!!

 

「でね・・・・・」

 

あれ?

説明が終わったのにAさんの話はまだ続く

 

「普段はシニアが多いでしょ、だから説明が本当に大変で、〇〇さんは若いし、物覚えが早いからいいわ!!」

 

おお・・・・なんか、別の話になったし・・・

一切の抵抗もなく、Aさんは仕事モードから雑談モードに切り替わっていた。

まあ別にこの後の予定があるわけでもなし、うんうん言いながら黙って話を聞くことにした。

 

時間の経過

 

「でね・・・・・」

 

同じ話を聞くのは何度目だろうか・・・・時間が巻き戻っていなければ

もう3度は

 

「普段はシニアが多いでしょ、だから説明が本当に大変で、〇〇さんは若いし、物覚えが早いからいいわ!!」

 

という話を聞いた気がする。

気づけばAさんはソファに腰を下ろしていた

おお・・・・それは客の前でやったらダメなやつじゃないか?

と思いながらもどこか憎めないし、僕はおばあちゃん子なのでどうにもこういう人を無下にできない、うんうんと、Aさんが満足いくまで話を聞くことにした。

 

 

永遠と思える時の流れの果て

 

 

どれくらい話を聞いただろうか・・・気づけばAさんの話はこの部屋のオーナーの話に変わっていた。

どれくらい話を聞いただろうか・・・気づけばAさんが所属するエージェントの話に変わっていた。

 

「ごめんなさいね、日本を離れて長いから、日本語が得意じゃ無くて・・・・」

 

というAさんの告白、あれは何だったのだろうか・・・

 

ただ、Aさんの話の中には興味深い話もあった、面白かったのはバケレン規制が可決された時、バニヤンの組合が弁護士を雇って州と戦った話だった。

州の決定に果たして、1コンドミニアムの組合が勝てるというのか?

なんと、判決はバニヤン側が勝ち、例外的バケレン規制対象外となったそうな。

 

アメリカってすごい国だなと思いながらも、ただ、その例外措置も2,3年とのことで数年後はどうなるかわからないとの事。

Aさんいろんな意味でありがとう!!

説明よりはるかに長い世間話を終えて満足したのかAさんは風のように去って行った

なぜだか僕は実家の母親を思い出していた。

Aさんの話が

 

たまに実家に帰った時の母親の話を聞くが如くだったからだろう

 

それより最大の疑問が1つある。

 

Aさんと、長期滞在初めての要領を得ないシニアは一体どれほど、この時間を要するのか?何度同じ説明をし、何度同じ説明を聞くのだろうか?

最後には卓を囲んで茶の一杯でも飲んで歓談してたりするのだろうか?

それもまたハワイっぽくていいが・・・といらぬ想像が廻った。

 

最後に、皆さんは僕たちがAさんにホトホト困り果ててさぞ迷惑だったとお思もいだろうか?

実はそうじゃないのである

僕は終始

 

「Aさんブログのネタを提供してくれてありがとう!!」

 

と心の中で感謝していたくらいだ。

旅はこれくらいの方が後になって考えれば楽しいものである。

ネタとしてかけるなら尚更だ。

 

何故か小説のような語り口なのは、大人買いした森光登美彦氏の小説を一気読みしったからであり、それ以上の意味は無いことも最後に付け加えておく。

滞在中に読んだ森見登美彦氏の作品

 

ガイドブックには載っていないハワイに関する情報はこちらにまとめてあります

↓↓↓↓

 

 



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